【SRX】
カスタム加工されたガソリンタンクとFRP製テールカウルのペイント工程のご紹介。

SRXの600と言うだけでマニアな雰囲気が漂いますが、FCRキャブ装着の為に
加工カスタムタンクを装着する、コアなオーナーさんからのペイントオーダーです。
毎度の事ながら緊張感いっぱいのお仕事になりそうです。
なかなかの大手術が行われているタンクの内側。
サイドはパンチングメタル鋼板でスタイリッシュな仕上がりですね(オシャレ!)
ところどころ、溶接箇所からのガソリン漏れ(滲み)が見受けられますが、
全体的には良い仕事のカスタムタンクだと思います。
とは言いつつも、塗膜に怪しい箇所が見受けられるので、
加工箇所をサンディングしてみると、パテの下から鉄板が錆びているのを確認。
ブラストにて塗膜を剥離するとガソリンが滲んでいる箇所がはっきりと確認できます。
溶接のスから滲んでしまっている様です、手抜き仕事には感じられないので
このへんはワンオフの宿命?ってとこなのかもしれません。
現状確認できる滲み箇所をビビビっと溶接し直しています。
塗膜の下から錆が発生している場合は氷山の一角と考えているので、
剥離作業を行い全ての錆とその根を除去します。
加工箇所周辺は溶接目、更に溶接熱による鉄板の歪みが生じているのでパテで修正していきます。
この時に使う材料も目的にあったモノを選ぶ事が大切だと思います。
下地塗料の塗装
下地塗装が乾燥した後さらに細かい歪みを取り除いていきます。
この仕事をしていると多くのFRP製品に出会いますが、このカウルはクオリティー高いですねぇ。
これ売り物なの?って位の粗悪品が横行している中で、こういったハイクオリティー製品に出会うと、
これを作った人の心粋の様なモノを感じて嬉しくなります。
このままでも十分に高品質ですが、角の面取りや細かい歪み取りを行い、
更に質感高く仕上げる事がこの製品に対する僕なりの礼儀だと感じました。
各修正や下地調整が終了したら、サフェーサーを塗装し
温度管理の行き届いた乾燥室で十分に乾燥させます。
乾燥もとても大切な工程です。
キッチリと乾燥させたら、下地の最終研磨を行います。
テカっとシルバーに塗り上がり!
通常ならこの後磨いて終了ですが、今回はセンターストライプを
ブラックでペイントするのでその為の下地処理に進みます。
ミリ単位でライン幅のご指定を受けているので、忠実に正確にマスキングします。
ブラックでラインを入れたら、パーツ全体をクリアコートしてまたまた乾燥室へ。
十分乾燥したら仕上げの磨き作業です。
そして完成。
ん~いい感じです。単気筒乗りの方はこのカラーリング好きな方多いですよね。
僕も結構好きだったりします。
テールカウルの内側は半艶消しブラックで仕上げてあるので、
組んだ時にチラっと見える角度からの視線にも抜かりはありません。
後日、車体に組み付けた画像を送って頂きました。
お~、想像はしていたけれど、かなりイジりたおしてる車両ですね。
このオーナーさんは、他にBROS650も所有しているんだとか!
その大人セレクトに30代の僕なんかは頭が上がりません。さすがR40さんです。
ライン一本入れるのにも色々な方法や仕上げ方がありますが、
当社にペイントオーダーする方は100%と言って良い程、仕上がりを重視されているので、
僕もそれに応える結果が出せる方法(工程)を行います。